ハウスコムの店舗は売上以外にも、もう一つ別の目標を必ず持っている。

  • Twitter
  • Facebook

大阪の和泉府中店に勤めていますガンと闘いながら仕事を続けてきた永野さんという社員に、ガンという病気を通じて様々な活動を行っている「ラベンダー・リング」というプロジェクトに参加していただきました。ハウスコムでは昨年の12月から働き方改革の一環でガン治療をしながらも、今まで通りの仕事を続けていく人を支える「トモニ」というプロジェクトを立ち上げ、社員の方々により安心して長く仕事をしていただけるように新たな社内制度を整え始めています。

今までも社員の方に健康で長く働いていただくために色々と行ってきましたが、今回ハウスコムでガン治療や健康経営に本気で向き合おうと思ったのは、私が和泉府中店に臨店した時に、ガンと闘いながら仕事を続けた永野さんから話を聞いたことがきっかけでした。

永野さんは和泉府中店で事務などの仕事を行う業務さんとして働いていた時にガンと診断され、「病気になった」という事実と、「治療で仕事を辞めなければならない」という二重の不安が襲い、目の前が真っ暗になったそうです。

多くの場合、ガンになってしまうと治療に専念するために仕事を辞めなければなりませんが、会社としても、私個人としても、10年以上も勤めて、会社の成長に大きく貢献してくれた方が病気を理由に辞めてしまうことほど悲しいことはありません。永野さんに色々とお話を聞かせていただいたところ、病院にいる時は「生と死」を常に考えて「患者」の永野さんになっているのに対して、店舗にいる時はいい意味で忙しく仕事をすることができ、病気のことを一時的に忘れることができたのだそうです。

私たちは様々な地域に店舗を持ち、男性、女性、若者、お年寄りはもちろんのこと、外国人や障害者の方々などを含めた様々な人たちと接して、日々多様な価値観を受け入れた上で、部屋を紹介していますが、それが社内のことになると外国人の方、障害者の方、そして病気の方など、多様な人たちを受け入れるための器が急に小さくなってしまっているような気がします。

しかし、永野さんが和泉府中店でガン治療をしながら仕事をしていた時のお話を聞くと店舗の同僚たちが、ものすごくガン治療に協力にしてくれて、変に病人扱いせず、優しく接してくれたと言いますから、実際、ハウスコムの人たちは社内に対しても多様性な価値観をしっかりと持っていて、今までは単にそういったきっかけがなかっただけなのかもしれません。

興味深いことに、永野さんがガンと診断されて、店舗の同僚たちが優しく接してコミュニケーションが以前よりも活発になったことで、和泉府中店の売上がどんどん上がっていったんです。恐らく、永野さんが病気になる前は、「店舗の売上」という一つの目標しかなかったものが、永野さんの病気がきっかけで「店舗として永野さんの病気を支える」という別の目標ができたため、よりコミュニケーションが活発になって、そのチーム力が店舗の売上にしっかりと現れてきているのでしょう。

今回の永野さんの病気に関わらず、他の店舗でも同僚の仲が良く、情報伝達力が高い店舗は自然と売上が高い傾向にあります。ただ単に「店舗の売上」という一つの目標を追うのではなく、「病気の同僚を支える」、「地域の問題を解決する」など、売上以外に店舗としてもう一つの目標を持った方が長期的に見て売上は上がっていくものなのです。

今回、永野さんに「ラベンダー・リング」というプロジェクトに参加してもらったのも、和泉府中店では当たり前に受け入れられている多様性の価値感をもっと、もっと社内の人達にも知ってもらいたいと思ったからでした。

ガンに明るいイメージを持ってもらいたいと言うと少し極端かもしれませんが、ガンになっても治療しながら仕事は続けられるし、病気になっても永野さんにはずっと美しいままでいてほしいという想いがありましたので、資生堂さんやアデランスさんにもご協力いただいて、本当に素晴らしい永野さんの写真を撮ることができました。

これから人生100年という時代に突入していく中で、社員の価値観も多様化してくるでしょうから、一つの会社にずっと勤める必要はありません。ハウスコム以外のところで成長できるチャンスを見つけたら、迷わずそれを掴みにいくべきですし、またいつでも戻って来たくなったらハウスコム に戻ってくればいいわけです。

でも、好んで転職をする人はいますが、自ら好んでガンになる人はいません。最近ではガンになった社員をサポートする制度と共に奨学金返済をサポートする制度も始めていますが、病気と同じように子供は自らの親を選ぶことはできません。私はこういった病気や親など「自ら選択できないこと」に対して、会社がもっと社員にしてあげられることがたくさんあるのではないかと思います。

現在、ガンのサポート、奨学金サポートなどと合わせて、シングルマザーや子育てなど、様々なプロジェクトが社内で動き始めています。ハウスコムの企業理念に「人が生き生きと働ける職場を築き、人生の夢をかけられる企業を目指す。」というものがありますが、これは会社が社員に対して約束するものではなく、ハウスコムで働く人たち一人一人でそういった職場をつくっていこうという想いが込められているわけです。

永野さんもガンだと特別扱いさせることが一番嫌だと言いますし、障害者の方も特別扱いせず、普通に接してくれることが一番嬉しいと言います。ハウスコムは過去20年間、店頭(社外)で男性、女性、若者、お年寄りはもちろんのこと、外国人や障害者の方々など様々な人たちにお部屋を紹介し、支持されたことで成長してきました。

次の20年はこういった店頭で培った多様性のある価値観をどんどん社内に取り込んでいくことで、ハウスコムは賃貸仲介業だけではなく、ライフサイクルにおける様々な分野で賃貸サービス業として、もっと大きな価値を提供できる企業へと変化していけるでしょう。

病気の方も、シングルマザーの方も、時短で働いている方も、そして、障害者の方もあえて特別扱いはせず、普通に接してあげる。

そういった多様性のある職場環境をつくるためにも、会社が社員にしてあげられることはまだまだきっとたくさんあるはずです。

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

  • Twitter
  • Facebook

オススメの記事

2019/02/11

「一歩入ると静かな住宅街。荻窪は家族と落ち着いた暮らしを送るのに最適の街。」ハウスコム株式会社 荻窪店 店長 梅沢朋和

2019/02/05

「夕方5時までモーニング。名古屋の喫茶店モーニングの発祥地、一宮。」ハウスコム株式会社 一宮駅前店 店長 坂口宏昭

2019/02/04

一人では新しいものは生み出せない「ビートルズやクイーンこそが最高のビジネスモデル」