自由が丘店・山口 喜美「大切なのは失敗しないことではなく、失敗した時に愛嬌を見せられること」ハウスコム株式会社 – 店舗コラム – Vol.17

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人は誰しもが苦手なものを持っているはずだが、私の場合はそれが正座である。普段から椅子とテーブルの楽な生活になれているため正座は5分ともたず、それが原因で祖父の13回忌の法事の時に大恥をかいたことがある。

和尚さまの長いお経のあと、焼香をする席上で正座から立ち上がることができず立ち上がりはコケ、また立ち上がりはコケ、そうしている間に前に座っていた叔父の頭を3回も連続してつかんでしまった。

一回なら誤魔化しようもあったかもしれないが、幽霊のように足がなくなってしまった感覚ではどうすることもできなかった。斜め前に座っていたもう一人の叔父は髪の毛が薄いため恐怖のまなざしで私を見上げ、叔母たちも笑うわけにもいかず苦虫を噛み潰したような顔をしていたのを覚えている。

そんな状況に主催者の父は肩を落としうなだれていた。つくづく自分は親不孝な娘だと思った。穴があったら入りたい気持ちで落ち込んでいると、和尚さまが最後にやさしい言葉をみんなにかけてくださった。

「本日、こうしてご親族みなさんが集まって頂いて仏さまも、さぞ喜んでいらっしゃることでしょう。この度で13回忌を迎えることができたので悲しみから解き放たれ、みなさまに笑いをプレゼントして下さったと思います。これからも、ご親族仲良くお過ごし下さい。」

私はこの言葉を聞いて地獄の底から救われた気持ちになった。ビートたけしなど各界の著名人から絶賛されている多彩な才能の持ち主で著書『一億総ツッコミ時代』なども話題になっているマキタスポーツ氏は失敗についてこう語っている。

「失敗は自分の糧にする。ちょっとした失敗に、周りは容赦なくツッコミを入れてくる。その攻めにどうやって“チャーミングな切り返し”ができるかが大切。」

「仕事において大事なのはリフティングみたいな個人芸じゃなくて、ピッチでコミュニケーションを取れることなんですよね。あとは“ケガ”をしないこと。心も体も、ケガしちゃったら戦場を離れざるをえませんから。」

わたしの失敗を3回も頭でキャッチしてくれた優しい叔父も今は他界していない。自分の娘のように、いつもあたたかく見守ってくれていた叔父を思い出しながら、失敗した時は“チャーミングな切り返し”ができるように頑張りたいと思う。

◆週刊ジョージア編集部『失敗力』(KADOKAWA、2015年)

ハウスコム株式会社
自由が丘店:山口 喜美

<プロフィール>
出身地:東京  / 趣味:建築物散歩・街めぐり

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