駅ナカの次は空ナカ「不動産賃貸業も含め、すべての空間ビジネスはエンターテイメントである。」<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.29

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皆さんは、飛行機に乗る時以外に空港に行かれることはありますか?恐らく、ほとんどの人はないでしょうね。もちろん、私もありません。

しかし、ただ電車を乗り降りするだけの場所であった駅を工夫して、商業施設化することで「駅ナカ」という言葉が生まれたように、年々利用者が増える空港にも「駅ナカ」ならぬ、「空ナカ」という概念が生まれつつあるようです。

今日はこの空ナカの概念について、詳しく書かれた「最高の空港の歩き方」という本についてご紹介させて下さい。現在、空港には飲食店やブランド・ショップはもちろんのこと、温泉や美術館、そして映画館もある空港もあるのだそうです。こうなると、もう空港の中は街の中と変わりませんよね。

考えてみれば、1970年代初頭、まだ1ドルが360円だった時代、海外に行くことはまだまだ特別で、エコノミークラスでもロンドンへ行くのに、100万円近くかかりました。ところが、今はローコストキャリアの格安航空の普及もあって、バスや電車感覚で飛行機に乗れるようになりましたし、中には台湾から沖縄へ髪を切りに来る人もいるそうですよ。本当に信じられませんよね。

つまり、飛行機に乗ることが当たり前になり、多くの人が空港を使うようになると、ただ通過するだけの空港では面白くありません。空港で過ごすこと自体が楽しいと思えるエンターテイメント性を充実させていかなければならないんですね。

これは不動産賃貸業を営む我々にも同じことが言えます。つまり、ハウスコムの店舗も毎日のようにお客様が来店されますが、従来の駅や空港のように、部屋の相談をして、ただ「通過する」だけの場所であってはいけません。

また、羽田空港と関西国際空港の中にあるエンターテイメントがそれぞれ違うようにハウスコムの店舗も、それぞれの地域によって多様性を持たせて、地元の方々に親近感を持っていただける空間作りを目指していかなければなりませんね。

これこそ、実店舗がある強みとも言えます。どんなに探してもインターネット上に本当の宝はありません。見えないものを伝える時代の本当の価値とは、やはり人と人が触れ合うことで生み出していく必要があるのです。

◆齊藤成人 「最高の空港の歩き方」 (ポプラ社、2017年)

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

サービス・イノベーション室:安達

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