住まいには「不完全だけど、本当に人間らしい体験」が必要である。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.28

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皆さんはAirbnb(エアビーアンドビー)、というサービスを利用されたことはありますか?日本ではまだ認知度は低いかもしれませんが、Airbnbは世界192ヶ国33,000都市で、自宅の空いている部屋などを旅行者へ貸すサービスを展開しています。

もう海外の若者の間では、どこかへ旅行に行った時はホテルに泊まるのではなく、Airbnbというサービスを通じて普通の民間の家に泊まるというのですから、時代が動くスピードというのは本当に速いですよね。

もちろん、不動産賃貸業とは業種が違いますが、たった10年近くで企業価値が3兆円にまでなり、「泊まる」という概念を大きく変化させたAirbnbの創業ストーリーは同じ空間や場所を提供している弊社としても、とても興味深いものがあります。

今日は、「Airbnb Story」という本についてお話させて下さい。20年前、旅行者に必要なホテルと言えば、清潔で食事が美味しく値段もそれなりにリーズナブルであることでした。

しかし、それは旅行先でなくても泊まれますよね。東横インのホテルは東京にも大阪にもありますし、ヒルトンホテルは東京にもパリにもあり、基本的にホテルの中身はそれほど変わりません。

やはり、パリに旅行したら、もうパリに何十年も住んでいる人の家に泊まって、ホテルのバイキングではなく、フランスの家庭料理を食べて、旅行者としてではなく本当にパリに住んでいるような感覚を味わいたいものです。そう、現在の若い人たちはこの「不完全だけど、本当に人間らしい体験」を旅行に求めているわけですね。

Airbnbの代表であるブライアン・チェスキーさんは不動産の賃貸業者に向けてもコメントを残しており、「賃貸業者はどこも同じ。ホテルみたいな感じで。自分の居場所っていう気 がしない」と述べていますが、この辺りは同じ住む場所を提供していく我々としても、参考にしていかなければなりませんね。

皆さんも一度ぜひAirbnbを利用してみて下さい。海外の若者が熱狂する「住まいの人間味」を感じ取れるかもしれませんよ。

◆リー・ギャラガー 「Airbnb Story」 (日経BP社、2017年)

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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