携帯用の靴べらと大きなハンカチを持って「普通の営業マン」を卒業せよ。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.27

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営業という仕事は、本当にやり甲斐のある仕事であると同時に営業がすごく好きな人とそうでない人とで別かれることが多いのではないかと思います。今日は完全歩合制と言われる生命保険の営業で全国2000人の中でトップになった川田修さんの「かばんはハンカチの上に置きなさい」という本をご紹介させて下さい。

数年前にベストセラーになった本でもありますので、皆さんもご存知かもしれませんが、やはりこのようなベストセラー本に書かれている当たり前のことほど、皆さんも意外とできていないものなのです。

川田さんは営業にはレベル10とレベル11の質のものがあり、人間というのはある一定のラインを超えると「この人、ちょっと違うな」と急に興味を持ち始めるのだと言います。

営業マンの一定のラインを作っているのは他でもない「普通の営業マン」ですよね。お客様は頻繁に違う人達から営業を受けるわけですから、自然と「普通の営業マン」のイメージは自分の中にしっかり持っています。

もちろん、「普通の営業マン」でもしっかり契約も取って、会社にも社会にも貢献している方は多いでしょう。しかし、「普通の営業マン」の一定のラインをちょっと超えるだけで、お客様の印象は全然違ってくるものなのです。

例えば、どのようなところでしょうか?

川田さんは本のタイトルにもあるように靴を脱いで上がるオフィスや店舗に営業にいく時は、必ずハンカチを床にひいてからその上にカバンを置くのだそうです。

そう、川田さんから言わせれば、営業カバンの底も自分の靴底も同じなので、カバンをそのまま置くということは土足で人の家に上がりこんでいるのと同じなんですね。

また、川田さんは常に小さい携帯用の靴べらをスーツの右ポケットに入れているんです。

もちろん、どこの訪問先の入り口にも靴べらはあるのですが、それはそこに訪れた「お客様」が使うものであって、いち訪問者である営業マンはできるだけお客様のものを使用すべきではないのだそうです。

何もそこまでやらなくてもと思うかもしれません。ですが、同じものを売っているはずなのに、売上に大きな差がついてくるのは、本当にこのような小さいことを何年も何年もくり返しているところの違いなのかもしれませんよ。

アメリカ、ペンシルバニア大学のアンジェラ・ダックワース教授によれば、才能が人の2倍あっても人の半分しか努力しない人は、たとえスキル面では互角であっても、長期的に見ると、努力家タイプの人に圧倒的な差をつけられてしまうことになるのだそうです。

レベル10とレベル11の違いはほんの僅かですが、これを1ヶ月しか続けられないか、それとも3年、5年と続けられるか、本当にそれだけの違いかもしれませんね。

◆川田修 「かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール」 (ダイヤモンド社、2009年)

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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