営業で断られた回数が一番多かった人ほど売上金額が高い。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.23

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皆さんは、営業という仕事についてどうお考えでしょうか。大学では経営やマーケティングの授業はしっかりありますが、ビジネスの命とも言われる営業の授業はないですよね。

「なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?」という本によれば、アメリカでは、営業に関して2つの考え方が存在すると言います。

一つは民主主義がしっかり機能している社会で、モノを売ることが得意であるならば、身分や育ちに関係なく成功できるという考え方。そして、もう一つはセールスは侮辱的な仕事であり、資本主義に振り回されて、惨めな人生を送るという考え方です。

恐らく、これはどちらも正しいでしょう。営業という仕事はその人の生き様が試される仕事なため、現実的には人が人に営業を教えることはできません。実はこれが大学に営業の授業がない根本的な理由なのかもしれませんね。

この「なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?」という本によれば、断られた回数が一番多かった人ほど売上金額が高いと言います。

優秀なセールスマンは「ハッピーな負け犬」と呼ばれることもありますが、ハウスコム社内でも、営業の意味をしっかり理解されている方は共感する部分があるのではないでしょうか。

生命保険を売っている第一生命の柴田さんは販売数が全国1位にも輝く営業の達人ですが、アポなしで銀行を訪問して、98回も連続で断られ続けたそうです。勇気づけられますね。

営業に関しては様々な研究があります。どの研究にも共通している要因は役割認識で、営業マンが「自己の行為をどう受け止めているか」かどうかが、売上に最も影響しているそうですよ。

つまり、これは自分の行動の意味をしっかり理解し、誰をどのように喜ばせたいかがはっきりしている人は圧倒的に売上が高く、目的がはっきりしていなかったり、焦点がブレたりしている人の営業成績はイマイチだということですね。

イギリスでは何世代にも渡って、貴族はセールスマンを見下してきました。それは、セールスマンの圧倒的な力によって、自身の社会的地位を奪われるのを恐れたためだと言われていますが、逆を言えば、営業を徹底的に極めることによって、人生の下剋上的な成り上がりも十分可能なわけです。

営業は一人の人間の魂をさらけ出すもの。もしかすると、こんなに情熱的になれる仕事は他にないのかもしれませんね。

◆フィリップ デルヴス ブロートン「なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?」プレジデント社、2013年 Kindle

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

サービス・イノベーション室:安達

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