5時間労働でも、もしかしたら会社は機能するんじゃないか。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.22

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私はビジネスとスポーツの世界には多くの共通点があるのではないかと常々思っています。

卓球シングルスで日本人初のオリンピックメダリストである水谷隼選手は練習時間の絶対量と卓球の強さは必ずしも比例しないと断言した上で、現在の練習量は高校生の時の3分の1ぐらいまで減っていると自身の本の中で述べているんです。

少し前まで、卓球のナショナルチームは全員が同じ練習を同じ時間こなしていたそうですが、練習の仕方があまり効率的ではないと感じた水谷選手が率先して練習方法を変えていきました。

水谷選手によれば、ただひたすらに頑張り続ける練習と「なぜ今のボールはミスしたんだろう」、「今のボールのとらえ方は良かった」などと1本1本考えながら行う練習とでは、効果は全然違うものになってくると言うんです。

しっかりと結果を出している水谷選手のような方が、こんな風に言うとやっぱり説得力がありますよね。

「ある程度のレベルになったら練習は量ではなく、質を優先すべきだ。自分自身は満足に練習量を確保できないにしても、質を求めていけば、量が少ないとしても試合で勝てる。周りから見たら『水谷は練習量が少ない』と見えるだろう。」

「それは事実だ。決して高校生の時のようにがむしゃらに長い時間練習しているわけではない。しかし、質の高い練習をやれば、十分強くなれることを私自身が示している。無駄な練習をやることは無駄な時間を過ごしていることなのだ。ラケットを長い時間握っていれば強くなるものではない。そういう無駄な練習が多くなると、自分を弱くする危険性がある。」(水谷隼)

実際、水谷選手のチームメイトでも結果を出しているのは、丹羽孝希選手(五輪代表・世界ジュニア優勝)や松平健太選手(世界ダブルスメダリスト・世界ジュニア優勝)、という練習をしない人達で、ただ精神論でがむしゃらに練習をしていた人は卓球へのモチベーションを失ってしまっているそうです。

ビジネスの世界でも、1時間あたりの生産性が最も高い北欧諸国を見ても分かるように、「働いている時間」が必ずしも結果に結びつかない現代では、しっかりと業務時間内で求められる仕事を終わらせられるようにしなければなりません。

スウェーデンの企業では、平日5時間労働も視野に入れているみたいですよ。

私たちも働き方について、もう一度しっかりと考えてみる必要がありますね。

◆水谷 隼「負ける人は無駄な練習をする―卓球王 勝者のメンタリティー」卓球王国、2016年 Kindle

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

サービス・イノベーション室:安達

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