お客様の期待通りのものを提供しても、ブランド力は高められません。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.19

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皆さんは、アウトドアブランドのスノーピークという会社をご存知ですか?

キャンプなどにあまり行かれない方は聞いたことがないかもしれませんね。あのアップルがわざわざ本社のある新潟県まで見学に来るぐらい、ものづくりへのこだわりが強い会社で、新しい価値を作り出すことを徹底的に追及しながら、売上総利益率は他社よりも圧倒的に高い50パーセントを上げている凄い会社なのです。

スノーピークの山井太社長は、市場調査がどうだとか、競合他社がどういう動きをしているかを厳しく見極めて、経営戦略を立てるのではなく、自社のミッション・ステートメントから経営戦略を考え、新しい市場を創出して、独自のポジションを作り出すことで、高い利益を上げることができると言います。

スノーピークのミッションの一つに「自らもユーザーであるという立場で考える」というものがあるんですね。スノーピークの場合は、本当の意味でこれを徹底しているため、自分たちの自信作以外は絶対に販売しませんし、製品はすべて自信作であるため、もし壊れても、永久保証することを約束しています。

お客様の期待通りのものを提供しても、ブランド力を強くすることはできません。お客様が期待する以上のものを提供して初めて、ブランドというものは作られていきます。

また、山井太社長は、これからのビジネスで付加価値を高めていくには、モノからコトへの転換が必要になるのは間違いないと述べており、ハウスコムもただ賃貸建物の仲介を行うだけではなく、「住まい」を通じて、新しいライフスタイルを提供していくことが求められるでしょう。

スノーピークの従業員は自らがアウトドア・ブランドのユーザーであり続けるため、年間20〜30泊のキャンプをすると言います。ハウスコムの皆さんがお客様に住まいを通じて、新しいライフスタイルを提供するのであれば、まずは皆さんが自らの生活を徹底的に楽しまなければなりません。

そう、それはもちろん、私も同じことです。

◆山井 太「スノーピーク『好きなことだけ! 』を仕事にする経営」日経BP社、2014年 Kindle

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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