一生の時間を87万3000時間「不動産のプロとしての人生だけで、終わってはいけません」<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.18

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現在、40代、50代の方からすれば、仕事に人生の大半を捧げるというのは、ある意味当たり前のことだったのかもしれません。

確かにいい意味で、仕事とプライベートの境界線が無くなっている人も多いですね。現在、人間の平均年齢は10年ごとに2〜3年ずつ延びており、ある統計によれば、2007年に日本で生まれた子供の半分は、107歳以上まで生きることが予想されています。

現在50歳未満の方々も100歳以上まで生きることを前提に物事を考えていかなければなりません。

昨年、ロンドン・ビジネススクールの教授、リンダ・グラットンさんが人生100年時代をどう生きるかを記した「ライフ・シフト」という本を書いて大きな話題になりました。書店で本を見かけた方も多いかもしれませんね。

せっかく寿命が10年、20年と延びても、仕事ばかりしていては、せっかくの人生からの贈り物である「時間」というギフトを無駄にしてしまうことになりますよ。

人生が長くなる悪い面を考えれば、定年という概念が薄れ、あまり気の進まない仕事をどんなに身体が弱くなっても、永遠に続けなければならないということです。これでは、不快で退屈な人生がただただ長くなってしまうだけですよね。

良い面を考えれば、寿命が延びた分、人生を今よりずっと長期的に考えることができるようになります。例えば、現在、30歳で起業することを目標にする人がいたとしても、100年ライフの時代であれば、数十年間、様々な経験を積んで、70歳、80歳で起業をするという人も普通に出てくることでしょう。

グラットンさんも著書の中で指摘していますが、人生が100年になれば、私たちは一生の時間を87万3000時間持っていることになります。

よく一つの専門知識を身につけるには、1万時間(日5時間取り組んで約5〜6年)、かかると言われますが、これだけの時間があれば、不動産だけではなく、様々な分野のプロフェッショナルになることも十分可能ですよね。

サグラダ・ファミリアを作ったアントニ・ガウディは73歳で亡くなっています。大聖堂は当人が亡くなって約100年が経とうとしているにも関わらず、未だに作り続けられていますが、もしガウディが現在の長寿時代に生まれていたら、さぞかし喜ぶことでしょう。

だって、本当に良いものを作ろうとしたり、何かを成し遂げようとする人達にとっては時間など、いくらあっても足りないものなのですから。

◆リンダ グラットン/アンドリュー スコット「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」東洋経済新報社、2016年 Kindle

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

サービス・イノベーション室:安達

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