100年続く企業とは――強引に利益を上げるのではなく「ぼちぼちやる」ことも大事。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.59

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皆さんは京都に行ったことがあるでしょうか?旅行で訪れたり仕事で立ち寄ったりすると、そこで流れるゆったりとした時間に魅了され、「もっとゆっくりして行きたい」、そう思わされるのではないでしょうか?

今日はそんな「京都」についてのお話です。

京都には皆さんご存知の通り、長い歴史があります。そのため、保守的な街のように思われがちなところがあります。しかしその一方で、「日本初」が多く、新しいことに挑戦的な街であることはあまり知られていないように感じます。

実は日本で初めて小学校が創られたのも路面電車が開通したのも、京都なのです。また、おばんざいなど和食のイメージがある一方で、パン、コーヒー、バターにジャムといった洋食を好む方が多い街でもあるのです。

創業から何百年も経った歴史ある企業が多い一方で、ベンチャー企業が多い…というのも知られていない事実かもしれません。

新しいものと古いものが上手く融合している街、それが京都なのです。

少し話が変わりますが、京都で長く続くお店は「ぼちぼち」を大事にしていると感じます。

京都へ向かう新幹線に乗るために東京駅へ行くと、所狭しとひしめく売店に下がる札に目が行きます。札には「一日○○個限定」「本日限り」といった、買い手を焦らせるような売り文句が踊っています。

一方、京都の歴史あるお店には「一日○○個限定」といった札は下がっていません。強引に販売数を増やして儲けようとはしないのです。目先の利益よりも、店を永く続けていくことを大切にしているのでしょう。そのためには急ぐことよりも「ぼちぼちやる」のが一番だということを、京都の人たちは理解しているのです。

着実に付加価値を付けて、少しずつでも成長をしていく。だからこそ、何百年と続くお店をつくることができるのでしょう。

その考え方が都全体に息づいているのでしょうか。京都では、東京にいる時のような「何かに急がされている」感覚がしないのです。一方東京には――日本経済の中心を担うからこそ仕方のないことかもしれませんが――数字や効率性が絶対視される風潮があることは否定できないでしょう。

「世界で最も忙しいビジネスマン」と言われているオラクル社の創業者、ラリー・エリソン。世界でもトップクラスに忙しい彼があえて京都に家を所有しているのも、そういった”京都の効能”を求めたゆえ…なのではないでしょうか。

「街が成熟するまでには1000年ほどかかる」とよく言われますが、その地にどっしりと構え、何百年をもかけて着実に価値を積み上げてきた京都だからこそ、常に新しいことに挑戦する余裕が生まれるのかもしれませんね。

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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