いま目の前の仕事には20パーセントの力を使い、来年、再来年の仕事に50パーセントの力を使って下さい。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.56

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皆さんは、次の10年〜20年、不動産業界がどう変化していくと思っていますか?漫然と頑張っていれば、このまま次の数十年も右肩上がりに成長していくことができるものでしょうか?

――はっきり言ってそれは難しいと断言します。様々なメディアが何度も何度も繰り返し述べているように、現代が不確定な時代であることは間違いなく、もし確実なものを手にしていきたいのであれば「変化していく」こと以外に選択肢はありません。

ところで、今は不況だからなかなか新しいものは生み出しにくいと思っている方はいませんか?

――それはただの思い込みです。過去を振り返ってみても、新しい企業やアイデアというものは不況の時や景気が後退した時に生まれているんです。IBMやマイクロソフトなどアメリカの優良企業の名前が並ぶ「フォーチュン500企業」リストの約半分の企業は、不況と言われていた時に創業されているんです。

あのアップルを蘇らせたとも言われたiMacやiPodだって、アップルが低迷していた時期に開発がスタートしていますし、リーマンショックの前後で数字を比較してみると、リーマンショック後のほうがスタートアップ企業が生まれる割合が15パーセントも増えたと言います。

皆さんは日々、目の前の仕事に全力を費やしていると思います。もちろん、それは素晴らしいことです。しかし、常に右肩上がりの成長を続けているスナック菓子メーカー「カルビー」の会長兼最高経営責任者である松本晃さんも、持続的にしっかりと結果を出していくためには、目の前の仕事を全力でこなすだけではダメだと仰っています。

「いまから12ヶ月先のことは、自分のエネルギーのうちの20パーセントしか力をかけない。 13ヶ月から24ヶ月、つまり2年目のことに50パーセントのエネルギーを使う。残りの30パーセントは、25ヶ月から先のことに使いなさい。」

つまり今年の数字というのは、昨年からの努力と今年の努力との組み合わせなのです。いま目の前の結果だけを意識して取り組んでいたら、いずれ成長の限界に達し、来年には成果が上げられなくなってしまいます。

少し厳しいようですが、常に思いつきで結果を出しているだけではダメなんですね。不況時に新しいアイデアが生まれやすいというのは、不況になる前からしっかり先のことを考えて行動し、不況になったら他の企業が弱気になっていようが自分はどんどん行動して結果を出す。これがイノベーターの鉄則なのでしょう。

そう考えると、イノベーターにとって不況ほど大きなチャンスはないのかもしれませんね。

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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