値段やスピードばかり意識する戦い方をしていたら、会社はどんどん体力を消耗していくだけです。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.51

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皆さんは、「マーケティング」という言葉をどれだけ理解していますか?よく聞く言葉ではありますが、PR、広告、そしてマーケティングの違いをしっかり理解している人は意外に少ないのではないかと思います。

現在世の中には、とにかく数えきれないほどの商品やサービスが溢れています。賃貸仲介業も、しっかりとマーケティング戦略を考えて他社との違いを明確にしていかなければなりません。

ところで、これだけスマートフォンが普及しているのにかかわらわらず腕時計の売上が伸びていることを、皆さんはご存知でしょうか?

正確な時間を知りたいだけならスマートフォンで十分事足りるはずですが、身体の様々な健康状態を記録してくれる時計や登山用の時計などニッチな需要に応えた商品が登場したり、魅力的な芸能人を広告塔に起用することで「わたしも◯◯さんみたいになりたいから欲しい」と思わせるような需要を作り出したりした結果、時計が売れていっているというわけです。

消費者の方々は一体「何に」お金を払っているのでしょうか?重要なことは、少なくともいま売上を伸ばしている類の時計に興味を持っている方々は、時計に「正確な時間を知る」という役割ではなく、もっと「何か別のもの」を求めているということです。

例えば最近シェアハウスに住む若者が増えていますが、このような若者の中には単にお金がないからではなく、オープンで様々な人と関わって見える自分像に満足してシェアハウスを選択したというわけがあったりします。実際一部のシェアハウスは通常の一人部屋よりも賃料が高かったりすることもあります。

つまり自分たちのコンセプトを明確にせず安売り合戦に参戦し、競合ばかりがうねるレッドオーシャンで戦っていると、値段やスピードばかりを重視した戦いにどんどん巻き込まれ、会社はどんどん体力を失ってしまうことになるということです。

それでは、そういった意味でのハウスコムの強みとは一体なんでしょうか?現在、実店舗を持たずオンラインを主軸とした不動産サービスが増えていますが、ハウスコムの強みはそのような企業と同じフィールドで戦うことではありません。

お部屋を探している方々は、単に家賃や広さだけで部屋を選ぶわけではなく、その物件の周りの情報や、地域の特色によって部屋を選ぶことも多いですよね?

しっかりローカルに溶け込んでいる賃貸仲介業者が提供できる価値は今後どんどん大きくなっていくと思いますし、どれだけテクノロジーの進化が速くても、急に他の不動産仲介業者が実店舗を構えてみたところでマネできるものではないでしょう。

皆さまも是非周りを見まわして、自分たちの強みを、マーケティングというものを、少しずつ意識してみて下さい。

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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