自動運転が普及して、免許を持たない時代が来たら、自動車学校は何をしたらいいだろうか。<田村 穂>-コラム Serendipity-Vol.31

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皆さんは自動車学校についてどう思われますか?最近では車の免許を持たない人も結構増えましたよね。

本日ご紹介する「スーツを脱げ、タイツを着ろ! ―非常識な社長が成功させた経営改革」の著者である江上喜朗さんは父親から自動車学校の経営を任されました。

しかし、人が必ず自動車の免許を持つ時代ではなくなり、将来的には車はすべて自動運転になると言われているなかで、江上さんは一旦、自動車学校であることを忘れ、「自動車免許習得」以外のところで新しい価値を生み出そうと考えることにしたのです。ちょっと勇気がいることですよね。

すでに成功体験がある企業にとって、このような発想はなかなかできることではないかと思います。ハウスコムが一度、不動産のことを忘れるようなものですから。

江上さんが代表を勤める南福岡自動車学校では、地元で安く、早く免許が取れるという視点から「面白く」、「楽しく」免許が取れるという視点にシフトさせ、卒業したくなくなる自動車学校という今ままででは考えられない付加価値を作り上げました。

授業の中で思いっきり笑えるコンテンツ、教習所内で新しい友達ができるグループワーク、そしてゲーム感覚で学べる運転技術など、自動車の運転というよりは、どうやったら楽しんで学んでくれるかという教育そのものを追求していったわけですね。時代によって、企業の存在意義は大きく変わっていきます。

でも、自動運転の普及で運転の仕方は学ばなくなっても、料理や英語、そして演劇を学んだりと人間が新しいことを学ぼうとする好奇心が無くなることはありません。そういった意味で、エンターテイメント性を徹底的に重視している南福岡自動車学校は30年後、全く違う教育期間として繁栄し続けているかもしれませんね。専門学校やお笑い育成スクールなんかになっていても不思議ではないと思います。

もちろん、不動産賃貸業も同じようにテクノロジーの急速な発達によって、存在意義が次の10年、20年で大きく変わってくるでしょう。そこで、どう変化に対応できるか、常に私たちが意識していかなければならないところです。

自然科学者のチャールズ・ダーウィンが言う通り、「最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である」ということなのですね。

◆江上喜朗 「スーツを脱げ、タイツを着ろ! ―非常識な社長が成功させた経営改革」 (ダイヤモンド社、2017年)

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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