「人はなぜ働くのか?」と考えることから働くことは始まる。「ハウスコム・インターンシッププログラム」

  • Twitter
  • Facebook

ハウスコムでは大学3年生を対象としたインターンシップ・プログラムを開催しています。

インターンシップ・プログラムは、「働く」ということについて考えを深めることをベースにしており、その場を共有している皆がお互いに意見を交わせるよう、なるべく少ない人数で参加者を募集しています。

さて今回、インターンシップ・プログラムに参加してくださった学生の皆さんと訪れたのは、国立駅から徒歩3分、商店街にある「靴の一歩堂」。国立の商店街にいつもニュースを巻き起こしている、今年創業10周年のユニークな靴屋さんです。

というのも、こちらの店舗で月に一度、商店街の店主たちが集まる「商店街販促会議」をスタートしてからというもの、全国で初めて商店街ので仲間の優良店を紹介し合うシステムをつくるなどしており、国立の商店街は「東京商店街グランプリ」で準グランプリに選ばれたこともあるんですね。

「働く」には本来、働く人の数だけの意味がある。

「靴の一歩堂」で店主の川井一平さんが今回、最初にお話されたのは、起業して10年後に生き残る確率は10%にも満たないという、独立起業の厳しい現実でした。学生たちは川井さんを囲み、そのお話を体を乗り出して聞いていました。

“絶対に生き残ってやる”と心して起業を決めた川井さんが、独立起業の成功者たちに話を聞きに行った結果、全ての人に共通していたのが「人はなぜ働くのか?」「働く意味って何なのか?」という問いに対して、しっかりとした意見を持っていたことだったのだそうです。

私たちは成長の過程で、学校を出たら働くものなのだと思いこんでしまいますよね。

川井さんも「なぜ働くのか?」という問いに向き合ったのは30歳を過ぎてからだったのだそうです。実際に働くことの意味を調べてみると、一つの答えがあるわけではなく、働くことにはいろんな意味があっていいことがわかったのだといいます。

働くということはあまりにも基本的なことなので、経済学者も宗教家も、哲学者も、たくさんの人たちによって定義されてきたんですね。

例えば宗教だけとってみても、キリスト教では働くのは家族を養うためなので、十分な財産があれば働く必要はありませんが、浄土真宗では働くのは人の役に立つためなので、いくらお金持ちになっても働くことをやめる理由にはなりません。

歴史上で定義されてきた「働く意味」を知る中で、川井さんが「これだ!」と思ったのは、アダム・スミスが著書「国富論」の中で述べていた、働くということは「ありがとう」と言われる代わりに報酬をもらうことであり、世のため人のために役立つ仕事が増えていけば国が発展するというものだったのだそうです。

それは言い換えれば、バブル時代におこなわれていた土地を右から左に流すような、誰の役にも立たないお金の稼ぎ方が主流になると、その国は破綻するということでもあります。

「・・・するだけで100万円」という眉唾ものの広告なんかもよく目にしますが、私たちが仕事の中で自分が楽をすることを優先し、人の役に立たないことばかりしていると結局誰の得にもならず、破綻へと道がつながってしまうというのは考えてみれば当たり前ですね。

人の役に立つことをして、胸を張ってお金を稼ごうと思うようになった川井さんはその考えが、独立起業の成功者たちが口を揃えて言っていた「ギブアンドテイクのギブを先に提供する」という信念にも合致することにも気づいたのだそうです。

とはいっても、時代はすでにネット通販全盛期。靴屋がなくても誰もがいろいろな靴をみて選べますから、靴を選ぶことで人の役に立つのは難しそうに見えます。しかし川井さんは、はっきりとした口調で次のように述べていました。

「人は自分が欲しいものは9割方、気がついていないのです。インターネットで手に入るのは自分が欲しいと思い込んでいるものだけです。」

インターネットで手に入るのは、自分が欲しいと思い込んでいるものだけです。

実際、お店にやってくるお客様は一様に「歩きやすい靴をちょうだい」と言いますが、川井さんが「この靴を履いてどこに行くんですか?」と聞いていくと、靴を履いてヨーロッパ旅行に行き、楽しい思い出を残したいと思っていたりするのだそうです。

それならば三つ星レストランに入れるような靴が必要だろうと、実際にお客様の思い描いている理想の中で必要な靴は、お客様が手に取ったものとは全く違うものだったりするのだといいます。

お客さんが喜ぶ顔を思い浮かべれば頑張れると、何週間も休みなしで店に出ていることもある川井さんですが、川井さんが頑張る中で一番助けになってくれる存在が実は、国立の商店街で同じように独立起業している店主たちなんですね。

商店街の店主たちで集まって勉強会を始めた川井さんたちはまず、それぞれの店の企業理念をみんなで見直すことにしたのだそうです。

例えば、「美味しいケーキをつくること」を企業理念としていたケーキ屋さんは見直しの結果「ケーキを通じて家族団欒のお手伝いをする」と修正し、今ではご家族の誰が食べるのか、どういうプレートが喜ばれるのかを追求してお客様から「ありがとう」と言われることが増えたんですね。

店単位ではなく、商店街全体で取り組むこともあります。「国立で過ごすクリスマスを特別なものにしよう」と決めた川井さんたちは、クリスマスの時期にみんなで礼服に蝶ネクタイでタキシード風の格好をして、お客様を喜ばせようとした結果、お金をかけたイベントをしたわけでもないのに新聞の取材がくるなどして街がすごく盛り上がったのだとか…。

「世の中の役に立っているなと思うと、高揚感というか、頑張れてしまう。働くこととはなんぞや、という目的を見失っちゃうとおかしくなると思う。」という川井さんは、他にも、失敗を恐れないことの大切さなど、たくさんのことを学生たちに共有してくれました。

「ネットでは自分の思い込んでいるものしか見つからない」を実践する。

このインターンシップ・プログラムでは、川井さんのお話に背中を押される形で、学生たちに「靴の一歩堂」から踏み出して商店街のフィールドワークに出かけてもらいます。

ちょうどお昼時だったので、ランチの美味しいお店に行くことが課題になったのですが、お店選びは、「食べログ」やSNSなどのネット検索は一切禁止、街ゆく人や商店街の人に直接聞いて見つけた店に入るというのが条件です。

学生たちには商店街で街の人にたずね回り、そこで感じたことを踏まえて、商店街が活性化するにはどうすればいいのか、商店街全体で人の役に立つにはどうすればいいのか、といったことをグループで考えて、川井さんの前でそのアイデアを発表してもらいました。

準備時間が短く、即興で発表をするような流れでしたが、アットホームな空気の中、出てきたアイデアは「インスタグラムでできるスタンプラリー」だとか「飲食店の店主が本気でオススメする飲食店にいける仕組みをつくる」などなど…。学生の感覚にはいつもハッとさせられます。

総評において、「一人が得をするのは結局その人も含めて誰の特にもならない。みんなが得をする、それにはギブを先に提供すること」を再度しっかりと伝えてくれた川井さんは、次々と質問をする学生たちに対しても、実体験を踏まえて笑顔で答えてくださいました。

「ギブが先」という川井さんの姿勢は今回、インターンシップの中で端々に感じましたが、それが巡り巡っていつか川井さんも含めた皆の得になるかどうかは、参加した私たちが同じように「ギブが先」のギブのリレーを次の人につなげるために動けるかどうかにかかっているのではないかと思います。

「働くって何なのか?」学生たちにはあらかじめ、この問いに対する答えを身近な人から集めてくるように宿題を出していたのですが、答えは本当に様々でした。

「家族と一緒にお酒を飲む時間が持てるように」

「人を笑顔にすることが最高レベルの幸せをもたらすという研究結果がある」

「お金がないと生活できない」

「自分の働きが人の夢を支える」

私たちがなぜ働くのか、働く意味はそれぞれの自由です。けれど、宿題の答えの中にも、昔からいろいろな偉人たちが考えを巡らせてたどり着いた答えの中に「自分が得をするため」というのはないのですね。

学生たちにとって就職活動は大きな潮流のようなもので、一度流れに乗ってしまったら、そこで立ち止まるのはとても難しいでしょう。

だからといって、学生たちが単純に「それが当たり前だから」と働くようになってしまったら、働くことに疲れて社会から離れたくなってしまったり、よくない結果になる可能性が高くなるのではないでしょうか。

「働くって何なのか?」と立ち止まって考えられるように、そして働くことが幸せにつながるように、ハウスコムではインターンシップ・プログラムを続けていきたいと思います。

人材開発室 リクルーティンググループ

  • Twitter
  • Facebook

オススメの記事

2019/03/18

「トトロの森、航空発祥の地、サクラタウン。日本が残していきたい文化は所沢にある。」ハウスコム株式会社 所沢店 店長 井上洋介

2019/03/11

「かつて”東洋のハリウッド”と呼ばれた映画の街、調布市。のんびり歩いても人とぶつかることはない、ちょうどいい都会です。」ハウスコム 調布店 店長 福田真純

2019/03/04

「アートを身近に感じる街、国立。文教地区だからこそできる静かで丁寧な暮らし。」ハウスコム株式会社 国立店 店長 小沼志暢