コミュニティをつくって場所の価値を最大化させれば、賃貸の空室0%は十分可能。ハウスコム株式会社 – コラム – Vol.27

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世界15ヶ国49都市で155箇所以上のコーワキング・スペース(共有オフィス)を展開するWeWorkの企業価値が2兆円を超え、50年近く続いてきたオーナーが企業に対して場所(オフィス)を提供するという商業用不動産の概念が少しずつ変わりはじめています。

オーナーが企業に場所を提供する時というのは、長期間で契約することが前提であったため、なかなかその場所が埋まらず空室になってしまい、場所を有効活用できないことも多くありましたが、現在アメリカ経済の成長はスタートアップやスモールビジネスによって支えられており、まだ規模も小さいし、経営も安定していないため、長期間は契約できないけれど、クールでカッコいいオフィスで仕事をしたいという需要が多くあるのが現状です。

WeWorkは基本的に不動産を所有せず、テクノロジーとブランディング力を活用して、場所の価値を最大限に上げることで、借りる期間や広さに柔軟に対応できる「商業用ミクロ不動産」のビジネスモデルを構築しました。

(WeWork.com)

WeWorkが運営するコーワキング・スペースはもちろん良いロケーションにありますが、WeWorkに2兆円もの企業価値が付くのはWeWorkがつくり出すコミュニティ力にあり、所属するメンバーの50〜60パーセントは何かしらのビジネスを一緒にスタートさせているのです。

サンフランシスコにある「The Vault」というコーワキング・スペースで仕事をしているあるメンバーの一人は次のように述べています。

「コラボレーションという言葉を最近よく聞くけど、そんなの架空のコンセプトに過ぎないよ。大抵の人達はビルの中に人が集まればコラボレーションが勝手に起こると思ってる。でも、コラボレーションを起こすためには、ショーをディレクションする人がしっかりいなければダメなんだ。」

(WeWork.com)

コミュニティ設計に加えて、WeWorkは宿泊施設・民宿を貸し出すAirbnbとパートナーシップを組み、旅行先で現地の人達の家に泊まり、さらに現地の人と一緒に仕事をするという新しい取り組みも始めています。従来、固定されていることが当たり前であった不動産というものがどんどん流動的になることで、人々の働き方や暮らし方もどんどん変わっていくのでしょう。

WeWorkと同じように借りる期間や広さに柔軟に対応できる「Liquid Space」というサービスを展開しているMark Gilbreathさんはテクノロジーの力を最大限に活用して商業用不動産の空室をゼロにすると述べていますし、最近の若い人達はその不動産の場所や中身以上にその場所の文化やコミュニティを好むという観点からも、今後不動産というもののあり方自体が大きく変化していきます。

不動産は物件を抑えて、あとはマーケティングを上手くやれば成功するという時代から、コミュニティやコラボレーションなど、もっと場所を通じた本質的なものを求める時代になってきているのではないでしょうか。

サービス・イノベーション室:安達

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