「働く意味」は他人から期待されることで生まれるのであって、自分で見つけるものではない。ハウスコム株式会社 – コラム – Vol.18

  • Twitter
  • Facebook

皆さんが今の会社に入社したいと思った決め手は何だったでしょうか。特に理由なんてなく「内定をもらったから入社しただけ」という人もいるかもしれませんね。

人は理由を求めてしまう生き物ですから、ついつい働くことの理由や意味を探してしまいがちです。でも、本当は働くことに明確な理由や意味なんてなくていいんです。

精神科医であり、立教大学で教授も務める香山リカ先生。彼女が以前勤めていた大学でも、就職活動で悩む学生たちが多くいたと言います。「自分らしく働こう」という言葉に翻弄され、学生たちはなかなか自分のやりたいことが見つかりません。そんな彼らに対して、香山先生の同僚の先生がこんな助言をしていたそうです。

「やりたい仕事が見つからないなら、5時で終わる仕事を探しなさい。それから寝るまでの間は好きなだけ趣味に没頭できる。むしろそっちが生きている時間なんだから、最低限のお金を稼ぐだけの仕事を探すことも考えてみなさい。」

メディアに度々登場する生物学者の池田清彦さんは、現代の若者について「仕事を通じた自己実現」という偽りの価値観によって”脅迫”されていると指摘しています。若者が先の見えない自分探しの旅へと足を踏み入れてしまうのも、すべては「自己実現」に脅かされているからなのだと説明しています。

そもそも、働きがいや生きがいというものは、誰から期待されることによって生まれるものであって、自分で生み出したり、探したりするものではないのではないでしょうか。

私たち含め、現代の若者は「仕事=人生」という方程式に必要以上に縛られているのかもしれません。江戸時代は身分制で仕事は決められていましたし、戦前から戦後しばらくの間は長男は家業を継がなければなりませんでした。

だから、仕事を自分で選ばなければならなくなったのはつい最近のこと。自己分析チャート程度で自分の適性など分かるはずもなく、ましてや、いきなり自己実現を押しつけられれば自分探しの旅に逃げるのも当然です。

現代人は「働くこと」について、良くも悪くも深く考えすぎているのかもしれません。

◆池田清彦 「がんばらない生き方」 (2014年、KADOKAWA / 中経出版) Kindle ◆福澤徹三 「自分に適した仕事がないと思ったら読む本 落ちこぼれの就職・転職術」 (2013年、幻冬舎) Kindle

サービス・イノベーション室:安達

  • Twitter
  • Facebook

オススメの記事