社内ビジコンを開催します「額に汗をかく時間を減らして、脳に汗をかく時間を増やして下さい。」

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勤勉を叩き込まれた日本人は、「がむしゃらに働けば豊かになれる」と誰もが考えてきました。しかしそれは、人口も増え、市場がまだまだ成長していた時代だからこそ通用した法則であって、残念ながら今の世の中では、今まで通りに働けば働くほど、人は苦しい立場に追い込まれていきます。

というのも、人口が減少に転じて市場は飽和し、利益の出ないものがどんどん増えているのに昔のビジネスモデルのままで利益を出そうとすれば、より多く働かなくならなければならなくなるのは当然なのです。

ITによって作業の効率化は進めることができたとしても、“作業”を仕事にしている限り私たちは、根本的に異なる「豊かになる方法」を見つけることはできません。

「仕事が終わらないから」という理由で残業をするなどもってのほか、ハウスコムでもシステムを19時30分でシャットダウンさせているのは、作業の手を止めて頭を働かせて、「なぜ仕事が終わらないのか」を考えることを仕事にしていただきたいからです。

「キットカット」や「ネスカフェ バリスタ」で知られるネスレ日本では、現社長の高岡浩三氏が始めた「イノベーションアワード」という、年に一度ネスレ日本で働く人たちからアイデアを集め、それをビジネス化する社内コンペが開催されています。

初年度の応募数は70件だったそうですが、2年目はその10倍の750件、そして今では4800件を超えています。なんと、ネスレ日本の社員数を上回るほどの応募があるのだそうです。

そこまでレベルが上がった「イノベーションアワード」では、アイデアがビジネスになった時、会社として必ず成果が見られるようになったといいます。

例えば、2016年に大賞を受賞した「ネスカフェスタンド」は、100円もかからずにコーヒーを飲める立ち飲みスタンドを駅の中に設けるものでした。

関西の阪急電鉄沿線で始まった取り組みが、今では東京にも進出し、アイデアが出されてからほんの2年で、「ネスカフェスタンド」のある駅は全部で25駅にまで増えています。

とはいえ、そもそもネスレ日本も日本体質の濃い会社だったようで、2010年頃、社員が仕事の中でどのくらいの時間を考えることに費やしているのかを調べたところ、1日仕事をしているうちの14%でしかなかったそうです。

それを40%に50%にと上げ、全社員がイノベーションを生み出すことを仕事にしていくためにこの取り組みがなされているわけです。

これまでに「きっと勝つ」キットカットのプロモーションなど大きな実績のある高岡社長ですが、自分の経歴の中での一番のヒット商品がこの「イノベーションアワード」だと言っています。

企業において、イノベーションを生み出す人を育てる方法というのはまだ理論化されていないそうですが、まず、昔のモデルでの働き方に長けている人を評価していては育つことがないのは明らかです。

例えば店舗での仕事中に、忙しい上司に向かって「これならできそう」ということは提言しても、これまでのルールで考えれば明らかに無理そうなことは話さないのが昔のモデルです。言われたことをとりあえず「はい」とやっていると、アイデアは塩漬けになり、イノベーションが先送りになるのは言うまでもありません。

ハウスコムでは今期、社内コンペ「ビジネスコンテスト」を実施します。イノベーションにつながるものは今ある作業を効率化しようということではありませんから、各部署内、あるいは店舗の中での業務改善などは募集していません。

地域の人々の暮らしの中で私たちが関われることを考え、通常業務の中では言えない、100%否定されそうなアイデアや、大したことないと流されそうなアイデアも、まずは好きなだけ考えていただき、一人一案は応募してください。

私が最近思うことをいくつか例を挙げてみると、まず、マンハッタンのある不動産屋の取り組みで、その地域をガイドするツアーをつくり、契約をしたお客様や地域で暮らしている人たちを招待するというものがあります。

もちろん歴史ある建築物に訪れたりもしますが、このツアーの目玉は昔からあるその建物に住んでいた人のストーリーを知ることであり、ツアーで回るのは一度につき、ほんの数ブロックでしかありません。

歴史ある建物だって、その中で50年前、100年前に暮らしていた人はこんな仕事や遊びをしていた、あるいは恋が生まれたとか、いろいろな人のストーリーが残っているものです。ただの“物体”であった建物が、実際にそこで暮らした人の人生に出会うことで全く違う見え方をしてきます。不動産業者だからできる観光業であり、何度もツアーに参加する常連もいるのだそうです。

あるいは、最近よく話題になる出会い系アプリというのがありますが、テクノロジー系の企業と不動産企業が提携して、「自分に一番合うルームメイトを見つける」「自分に合うルームメイトのいる部屋を見つける」アプリなんていうのも出てきています。

これらはすでに形になってしまっていますが、日々、考える時間を持ち、本を開き、人に尋ねれば、おかしいと思うことや何とかしたいということはきっと山ほど出てくるはずです。

ネスレ日本の「イノベーションアワード」から生まれた「キットカット ショコラトリー」も、安くて美味しいチョコレートとして世界的にブランドが確立しているキットカットとしては“ありえない”アイデアだったかもしれません。

しかし、「キットカット ショコラトリー」はビジネス化されて2年で20億の売り上げを記録し、さらにこれから200億まで拡大すると見込まれているそうです。

業務の改善などとは違って、アイデアはいわゆる“種”の状態なのですから、ビジネスとしてどう育つか見通せなくていいのです。そのアイデアが形になっていない状況で今の価値基準で判断するより、実際にビジネスにしてみてからどう成長させられるかを考えればいいのです。

イノベーションによって今とは違う「豊かになる方法」を求めるハウスコムでは、言われたことをやるのではなくて、絶対言われなさそうなことをやる人を育てたいと思います。

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。2016年度、中央大学商学部客員講師に。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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