第2回学生ビジコン予選「以前はこうだったという概念がない若い人の感性は常に正しい。」

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11月14日にハウスコムが主催する学生ビジネスコンテストの予選が行われ、10月のキックオフ会から1ヶ月間必死に準備してきた学生たちが住まいを通じた新しいビジネスアイディアを発表してくれました。

私自身、中国で最先端の研究を行っている企業を訪問したり、異業種の方々と定期的に意見交換などをして、不動産テックや人工知能など新しいにものには常に関わっているつもりでいます。

しかし、どれだけ物事を進歩的に考えても、私たち年配者には過去の成功体験や「以前はこうだったという概念」が根強く残っています。

若い学生の方々には、社会経験やビジネススキルはないかもしれませんが、同時に「以前はこうだったという過去の価値観」も一切ないため、現在、学生の方々が直感的に感じている感覚でアイディアを出すことができ、間違いなく、こういった部分が学生の方々の一番の強みだと言えるでしょう。

チームマテエ「自分の好き嫌いで物件を探すのではなく、個人の属性から住む場所を探す。」

まず、トップバッターとして、一つの住居スペースでお年寄りから若者まで、様々な年代の人たちが抱える問題を解決するアイディアを提案してくれたのはチーム「マテエ」でした。

現在、4人に1人が高齢者、5人に1人が認知症だと言われ、高齢化社会の問題がニュースに取り上げられない日はありません。あわせて、好景気や人口減少などが影響して、労働市場は常に人材不足が深刻化し、子育てと仕事の両立という働き方革命のスローガンも様々な業界で飛び交っています。

そこで、チーム「マテエ」が提案してくれたのが、ビル建て、そこに様々な人たちに入ってもらい、そのビル内で最近流行りの異性のマッチングアプリのように、「子供の好きなお年寄り」と「子供の面倒を見てほしい家族」、「上京して近くに頼れる友人がいない女性同士」、「一緒に映画鑑賞やバーベキューを楽しみたい人たち」を結びつけて、一つのリアルなコミュニティをつくるというものでした。

さらに、そのビル内に倉庫のようなものをつくり、共有できるサーフボードや使わなくなった教科書などを収納しておきます。

それらをアマゾンエコーなどで呼び出せば、すぐに必要なものがビル内の人から借りられるというものでした。

加えて、興味深かったのが、ビルの中に住む人たちの情報をAIで深く分析し、「この人とこの人は、同じ興味、関心を持っている可能性があるから、今度行われる映画鑑賞会やBBQ大会に参加したらどうですか?」という感じで人工知能を使ってマッチングさせることで、普段出会わない人たちが交差するコミュニティが形成させていきます。

つまり、どれだけ多種多様な人たちや共有できるモノをビルのような施設内に集めても、人やモノが出会うキッカケがなければ何の意味もありません。

そこで、ハウスコム のような企業が施設内で、人やモノが出会うキッカケを提供し、コンシェルジェ的な役割を担うことで、不動産仲介と合わせて、長期的な収益化できるのではないかと、チーム「マテエ」は提案してくれました。

大東建託の宗さんから、「自分の好き嫌いで物件を探すのではなく、『東大工学部、彼女がほしい人』などと言ったように個人の属性から住む場所を探すという観点が面白い」というコメントをいただきました。

日本大学の清水先生からも、「ホテルなども運営する会社によって、コンセプトも値段も全然変わってくる。今まではいい場所にあれば、いい家賃が取れたけど、これからはWeWorkのようにただ単にいい場所にあるという要素だけではなく、コミュニティのような新たな付加価値をどのように生み出せるかという『オペレーショナル・アセット化』が重要になってくる。まさに、提案してくれたアイディアはこの考えに近い」というお褒めの言葉をいただきました。

チームDチーム「日本人の5人に1人はアニメオタク。ただ、フィギュアを並べるだけではなく、アニメの世界の中に出てくる部屋を実際につくってしまう。」

次に、近年海外市場なども含めて、大きな盛り上がりを見せているアニメ文化と住まいを掛け合わせて、「アニメ部屋」を提案してくれたのは「Dチーム」の学生さんたちでした。

実はハウスコムでは民泊事業も少しやっておりまして、社内からもアニメ部屋に関する提案がありましたので、「Dチーム」の提案は非常に興味深かったです。「Dチーム」が発表してくれた通り、現在日本人の5人に1人はアニメオタクと言われており、言語を超えたコンテキスト・カルチャーは海外にもどんどん広がっていっています。

アニメ部屋というと、どうしても、フィギュアを並べたり、たくさんのポスターが貼られた部屋を想像してしまいます。しかし、「Dチーム」の発想が非常に若者っぽいなと思ったのは、フィギュアを並べたりするだけではなく、実際にアニメの中に登場する部屋を自分たちでつくってしまうという部分でした。

そして、アニメ部屋を賃貸として貸すだけではなく、そのまま物件として購入してもらったり、アニメ好きが集まる交流の場として、イベントなどを頻繁に開き、人と人が繋がれる新しいコミュニティを形成していくところまで発展させていきたいと「Dチーム」は意気込みを語ってくれました。

私たち不動産業界がイノベーションを起こすためには、お互いに情報を共有し合い、業界を常にアップデートしていくことはもちろん大切ですが、アニメ業界のような全く接点のない業界と、どんどんコラボレーションしていく方が、より異なった視点で物事を考えらえるようになり、イノベーションの速度も速くなっていくことでしょう。

審査員の方々からは、「アニメの権利関係をどうするのか?」と言った点や、「若者文化がアニメだけだとちょっと寂しいからもうちょっと違った文化も一緒に混ぜあわせることはできないか?」と言った指摘も出てきました。

アニメは市場が大きい分、権利関係など色々と複雑なところも多いため、その部分を利益シェアをするなどして、上手くビジネスに落とし込むことができれば非常に面白いのではないかと思います。

チームJack「長距離移動、出張が多い時代だからこそ、いつも帰ることのできる家を。」

次に、しっかりとメンテナンスをしながら、長く住み続けられる家を築いていくためのライフプラン業について、アイディアを出してくれたのはチーム「Jack」でした。

いい家を保っていくためには、エアコンやトイレ、そして、外壁塗装などのメンテナンスが不可欠になってきます。チーム「Jack」が提案してくれたのは、そのための費用をハウスコムという企業を通じて積み立てていき、ハウスコムを通じて、家の大切さを伝える親子間をコミュニケーションを促進させるというものです。

多くの人は、「将来のため」、「子供のため」などという様々な名目で貯金をしていることはしています。

しかし、それは今ある大切な家を子供や次の世代に引き継ぐためのメンテナンス費として貯金をしているわけではありません。実際は、「問題が出てきたら、対処すればいいか」と言った感じて、メンテナンスの意識が薄くなってしまっており、その意識は自然と子供にも伝わってしまいます。

そう言った意味では、住まいと深く関わるハウスコムというプラットホームを通じて、お金を積立ながら、親と子供の間で住居に関するコミュニケーションを促進させてあげることはできるかもしれません。

現在では、移動手段の革命的な発展やグローバル化により、ビジネスなどでも海外に毎月のように出張する人たちがどんどん増えています。

私も頻繁に出張に出かけますが、どこに行っても、我が家という決まった「帰る場所」があるということにいつも幸せを感じますし、こう言った自分が常に安心できる場所を次の世代の子供にも引き継いでいきたいというのは、親としての自然な想いなのでしょう。

むしろ、こう言ったビジネスアイディアが私たちのような年配者ではなく、若い人たちから出てくるというのは非常に素晴らしいことだと思います。

チームペンタゴン「子供の方が家にいる時間が長いのに、家の設計が大人中心になっているのはおかしい。」

次に、ほとんどの住まいが大人中心の設計になってしまっているという問題意識から、「もっと子供のことを考えた住居設計を考えるべきではないか?」というアイディアを提案してくれたのは、チーム「ペンタゴン」でした。

チーム「ペンタゴン」が指摘するように、世の中の住まいや施設は大人中心に作られており、それに加えて、最近では、公園や子供の遊び場がどんどん減ってきています。

チーム「ペンタゴン」のアイディアは、住居や周りのコミュニティーの設計を大人中心のものから、子供中心のものに変えて上げることで、子供はもっと豊かな感性を持った子供に育ち、大人も子供を通じて、様々な面で繋がりを持てるのではないかというものでした。

確かに私たちが子供の頃は、現在のように「地域の共同体」という言葉を使わなくても、近所の人が他の家の子供叱ったりして、地域で子供を育て、守るのが当たり前でした。

しかし、今では、昔のような地域の共同体というものは、どんどん少なくなってきています。住まいや地域をもうちょっと子供目線で考えることで、バラバラになりつつある地域の共同体を新しい形にアップデートできれば、非常に面白いのかもしれません。

チーム「ペンタゴン」は、少子高齢化は、子育てをする環境が十分に整っていないことが大きな原因で、知り合いの家庭だけを集めた施設をつくり、周りの大人たちが協力して子供を育てることができれば、もっと働きながら、子供を持というする人が増えるのではないかという想いも語ってくれました。

子供の教育は30年先を見て、考えなければならないと言われます。若い人たちが自身の子供時代の経験から、自分の子供にはこういった環境で育ってほしいというアイディアが出てくるのは非常に面白いと思いました。

チームQUEEN「オリンピックの宿泊先不足を解消するために、使われていない寺院のスペースを有効活用する。」

そして、最後に東京オリンピックに向けて、宿泊先が不足するという問題点から、寺院を宿泊先として提供するアイディアを提案してくれたのはチーム「QUEEN」でした。

チーム「QUEEN」の案で、非常に興味深かった点は、ただ寺院を宿泊先として提供するだけではなく、日本文化がぎっしり詰まっている寺院を通じて、外国の方に新しい体験を提供しながら、使われていない寺院のスペースを有効活用するというポイントです。

チーム「QUEEN」の提案の中で強調していた点は、どうやってお客さんを集めるかというところよりも、宿泊先を提供する寺院の参入障壁をどう低くするかというところでした。

そう言った意味では、企業であるハウスコムが寺院を宿泊施設に転換する際の費用面などを負担し、ハウスコム独自のマッチング力とネットワーク力で地域密着型の宿泊施設を提供していくのも面白そうです。

また、オリンピック後は、外国人や東京に限定することなく、地方や日本人の女性をターゲットとして、日本人の仏教離れを回復させていくというのも興味深いポイントで、これから迎える精神社会とのニーズと上手く合致しているのかもしれません。

最近では、仏教離れの影響で、四十九日などの行事もやらない人たちが出てきていると言います。オリンピックをキッカケに寺院に泊まる人たちが少しずつ現れ、日本人も寺院に泊まる習慣が増えていけば、日本人の精神的な部分も徐々に変化していくのかもしれませんね。

結果発表

私はこのビジコンのキックオフ・ミーティングで「社会的経験やビジネス知識がないことが学生さん達の一番の強みなので、古い形式に囚われない、挑戦的なアイディアを提案してほしい」と伝えました。

去年に引き続き、5チームとも、私が期待した通り、若者ならではの独特な視点で非常に勉強になりました。

今回、予選を勝ち抜いた3チームが11/25(日)に新宿ミライナタワーで行われる決勝に進むことになります。

審査員である、宗さん、清水先生、榊原先生、そして、私とで慎重に議論を重ねた結果、決勝に進むのは、最新のテクノロジーを導入した新しい共有空間のアイディアを提供してくれたチーム「マテエ」、アニメ部屋を提案してくれたチーム「Cチーム」、そして、余っている寺院の空間を有効活用するアイディアを提供してくれたチーム「Queen」に決定致しました。

おめでとうございます!!

今回、予選を勝ち抜いた3チームは11/25(日)に新宿ミライナタワーで行われる決勝戦に進み、優勝したチームのアイディアは昨年と同様、ハウスコムと協業しながら、ぜひ一緒に実現させていければと思っておりますので、決勝はさらに深いところまで落とし込んだプレゼンテーションを期待しております。

5チームのビジネスアイディアを聞いてみて

アメリカのシリコンバレーや中国の深圳など、常に新しいものが生まれている場所を見てみますと、優秀な大学と企業が地理的に近いエリアにあり、両者が協力しながら、良い相乗効果をもたらすことで、イノベーションが起こり続けています。

私は今年の夏に中国のいくつかの企業を訪問してきたのですが、やはり一番に感じたのは、若者のパワーとスピード感でした。

シリコンバレーや深圳では良いアイディアがあれば、どんどん採用して、若い人たちが中心になってもの凄いスピードで、アイディアを形にしていきます。

また、先日、私は娘と富士に登ってきたのですが、企業の組織体制も山登りと同じなのかもしれません。

若い人たちがアイディアや計画を立てて、最初は経験が豊富な大人が先頭を切って山を登っていき、徐々に大人は一番後ろに回って、若い人の安全を後方で見守りながら、判断は若い人に任せることで、頂上を目指していきます。

私たちがここまでこれたのも、若い時に、先人の先輩方が後ろでしっかり見守ってくれながら、先頭で色々と経験させてもらうことができたからです。

これからも、ハウスコムではこういった若い人たちがどんどんアイディアを出せる場所をつくっていきたいと思っております。

11/25(日)に新宿ミライナタワーで行われる決勝戦にはぜひ皆さんもお越しください。

■日時 11月25日(日)13時から17時まで

■決勝大会場所 新宿ミライナタワー 12階 東京都新宿区新宿4-1-6

JR新宿駅直結(ミライナタワー改札) (埼京線、総武本線、中央本線、湘南新宿ライン、山手線、成田エクスプレス) ・新宿三丁目駅徒歩1分 (東京メトロ丸の内線、副都心線、都営地下鉄) 

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。2016年度、中央大学商学部客員講師に。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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