ハウスコムは学生の新鮮なアイディアと企業の基盤を軸に「100年スタートアップ」を目指します。<田村 穂>-コラム Business Contest

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ハウスコム社が主催するビジネスコンテスト「不動産テックを活用した部屋探しの新しいカタチ」のキックオフイベントが10月18日ハウスコム本社で開催いたしました。

40名の学生(8名×5チーム)、リクルート住まい研究所の宗健所長、日本大学の清水千弘教授をお迎えして、不動産の価値がどんどん下落し、人類史上まだ誰も直面したことがない高齢化社会に世界一速いスピードで突き進んでいる日本が、これから不動産というものを通じて、どんな幸せを提供できるかというテーマで、まずはお互いの意見を徹底的にぶつけ合いました。

よく、アメリカなどではグーグル、フェイスブック、そして、エアビーアンドビーなどアイディアと行動力で急成長し、数年で大企業を脅かしてしまうようなスタートアップがたくさん出てきています。

ところが、日本は「攻めが甘いスタートアップ」、「守りが上手い大企業」などと言われ、対極にある大企業とスタートアップが上手く攻防のバランスを取ってしまっているため、なかなか日本では革新的なサービスが生まれてこないのが現状です。

そういった背景も含め、まずは、若者のフレッシュなスタートアップマインドと大企業の基盤を上手く融合させることで、革新的なサービスをどんどんリリースしていきたいというスピーチをさせていただきました。

次に、リクルート住まい研究所の宗健所長から「これからの住まい探しのカタチを考えるによせて賃貸市場のポイントと考える」というテーマでご登壇いただきました。

よく「住みたい街ランキング」というリサーチが話題になりますが、「住みたい街ランキング」とその街に住んでいる人の満足度には大きなズレがあり、住まいを通じた新しいサービスを考える上で、しっかりとその場所に自分の足で行ってみて、自身が感じ取った感性を大切にすることが大きなポイントなのだと言います。

さらに、宗所長のお話では、これから自動運転の車が当たり前になって、最寄り駅から自宅までの距離が今ほど重要でなくなったり、地域のコミュニティに関しても、近所の人たちとわざわざ仲良くしなくても、フェイスブックや無料のコミュニケーションツールが普及したことで、人と人が繋がることに物理的な距離はほぼ無くなってきているのだそうです。

しかし、そう言ったポジティブな面がある一方で、物件(街)、住んでいる人、物件を所有している人、そして、実際、物件を取り扱う事業者のすべてが高齢化していくという、次の10〜20年で日本が必ず直面する大きな問題がすぐそこまで来ているということも紛れもない事実です。

続いて、日本大学の清水千弘先生より「幸せの家、幸せとは、家とは。あなたはどんな幸せを手に入れたいのか?」というテーマでお話いただきました。

最近よく聞く幸福度という言葉ですが、消費者物価指数、つまり、いくらお金を使うことで幸福を得ているのかという観点で考れば、住宅は全体の25%の幸福を生み出しており、資産という価値では全体の80%の金銭的な幸福に貢献していることになります。

清水先生のお話にも出てきたアランの幸福論の中に「悲観は気分である。しかし、楽観は意志である」という言葉があるように、住宅というものは価値が上がっている時は資産と考え、現在のように住宅の資産価値がどんどん下がっている時には、大好きな人と遊園地やホテルに行く時のように、サービスを消費するという考えで住宅を見ることが大切なのだそうです。

そう言ったなかで、人は幸せになるために家を買っているのに、家を買ったことによって不幸になってしまう人たちが日本にはまだたくさんいるのが現状です。

不動産の価値というはプロがどれだけじっくり見てみてもよく分からないのだと言います。

実際、しっかりとリサーチした正しい情報によって不動産の価値は決まると言いますが、多くの人は家の価値を測る正しい方法を知らなかったり、時間がなかったりするため、住まいを通じた「幸せのミスマッチング」が起こっており、正しい情報を流通させることが今後益々重要になってくると清水先生は断言しています。

お話の後、学生の方たちはビジネスアイディアを考えるにあたって、「どれくらいのライフサイクルでビジネスモデルを設計すればいいのか?」、「率直なところのハウスコムの強みと弱みは何なのか?」、中には「ハウスコムのAIペットってどうゆう目的でつくられたか」という素朴な疑問まで、学生が登壇者に質問を投げかけました。

よく、「いい質問ができれば、答えは半分出たようなもの」だと言われますが、まだいい意味で社会に染まっていない学生さん達だからこそ浮かぶ率直な疑問にこそ、真のイノベーションのヒントが隠されているのでしょう。

イノベーションとはアイディアが新しいだけではなく、それが広く社会に受け入れられて(商業的に成功して)、初めて「イノベーション」と呼ばれます。

しかし、スティーブ・ジョブズはアイディアは最終的にものすごい力を持つが、最初は本当に小さい、小さい明かりのようなものだと考え、「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ニモ」など作品をつくり、クリエティブの代表格とも言われるピクサー社でも、最初に出てくるアイディアは見栄えが悪く、守らなければすぐに消えてしまう「醜い赤ちゃん」なのだと表現します。

そう言った意味で、私たちの企業はビジネス的に考えば、どれだけ欠点が多いアイディアであっても、学生たちの起業家精神には常に敬意を払わなければなりません。

ハーバード・ビジネス・スクールの教授で、かの有名な「イノベーションのジレンマ」の著者でもあるクレイトン・クリステンセン教授によれば、大企業が破壊的なイノベーションに対応できない理由は、大企業が破壊的なイノベーションの存在に気付けないのではなく、あくまで合理的に社内で判断した結果、破壊的なイノベーションには「対応しない」という選択をしてしまうのだと言います。

つまり、よくも悪くも、大企業になれば、なるほど、顧客の意見も聞き、社内でも承認のプロセスが増えるため、せっかく灯った小さな明かり(アイディア)は、顧客の意見や社内の反対にとってすぐにかき消されてるしまうのです。

基本的に目に見える範囲以上の未来を予測することは不可能とも言えます。

現在、企業価値が7兆円とも言われるユーチューブに投資したベンチャーキャピタリストは、全く関係のないスタートアップのMTGに行くたびに、多くの人がユーチューブを見ていることに気づき、急成長を予測したと述べていますが、普段、私たち社会人が訪れないところに出入りしている学生だからこそ気づくことができるポイントが世の中にはきっとたくさんあることでしょう。

もし、今後、テクノロジーやAIが人間の仕事を代行していくのであれば、テクノロジーが人間の仕事を代行するよりも速いスピードで新しい仕事をつくりだすことによって、企業は成長を維持していくことができます。

かのピーター・ドラッカーは「イノベーションに対する最高の賛辞は、『なぜ、自分には思いつかなかったか』である」と言いました。

これからビジネスコンテストに挑戦する学生さんたちは、このドラッカーの言葉をそのまま送りたいと思います。

さて、今回キックオフ・イベントに参加した40名の学生(8名×5チーム)は、11月15日(水)にハウスコム本社で行われる予選に向けて、1ヶ月間ビジネスアイディアをじっくり考え、予選を勝ち進んだ2チームが11月26日(日)に渋谷のセルリアンタワーで行われる決勝戦に進むことになります。学生目線でしか気づけない素晴らしいアイディアをハウスコム一同、ワクワクしながらお待ちしております。

ハウスコム株式会社が提供するLAB系イベント「不動産テックを活用した部屋探しの新しいカタチ」は、住まい探しに関する新たなビジネススキームを生み出すためのサービスデザインコンテストです。
https://chintai.mynavi.jp/feature/housecom_contest/

ハウスコム株式会社
代表取締役社長:田村 穂

<プロフィール>
経営修士(MBA)中央大学大学院戦略経営研究科修了(榊原清則ゼミ)。中央大学商学部客員講師。大学在学中に宅建主任者の資格を取得。その後、不動産業界での経験を経て、1994年に同社入社。営業スタッフから1年で店長に抜擢される。常務取締役営業本部長を経て、2014年3月に社長に就任。賃貸仲介業から賃貸サービス業への変革を進め、人工知能などのITテクノロジーを活用したユーザー向けサービス・プラットフォーム「マイボックス」をリリース。自社のビッグデータを活用し、オープンサービス・イノベーションラボを展開。社会・地域に貢献できる不動産テック企業を目指す。

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