「スポーツを通じて療養中の子どもたちの”青春”を創り出したい」NPO法人 Being ALIVE Japan 代表 北野華子さん

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この度、ハウスコムではNPO法人 Being ALIVE Japanへスポンサーとして支援することとなりました。Being ALIVE Japan は長期療養中の子どもたちへのスポーツを通じた支援活動を行なっている非営利団体です。

平成25年度に国が行った調査では小児がんなどの長期治療のために「30日以上連続して病院に入院しているこども」は、全国におよそ6,300人いることが明らかになりました。病院生活だけでなく、長期間かつ継続的な治療や通院を必要とする子どもたちは全国に約25万人います。

長期療養を行なっている子どもたちが自立していく過程で直面する身体面、心理面、そして社会面でのチャレンジをスポーツを通じて乗り越え、仲間との青春をつくり、長期療養中の子どもたちの今、そしてその先の人生を支える活動を提供する活動にBeing ALIVE Japanは取り組んでいます。

今回は支援の開始を記念して、Being ALIVE Japan代表 北野華子さんとハウスコム人材開発室係長 小澤健の対談をお届けします。

活動開始のきっかけ「代弁者じゃなくて病気や障害のある個人が発信していくことに意味がある」

小澤:ただ子どもたちに元気をとか勇気を持って欲しいということだったら、例えば、本を読んであげるとか、絵を描く、写真を撮るとかもあるわけですけど、なぜスポーツを選んだのでしょう?

北野:元々は自分が子どもの時に長期療養を受けていた経験があり、その頃はスポーツや体を動かすことが好きだったんですが、病気によってそれができなくなってしまいました。治療中は、「また走りたい」「スポーツをしたい」という思いが私にとって治療を頑張るモチベーションだったんです。

結局、私はスポーツを諦めなければならなかったんですが、自分自身の経験からスポーツの可能性を感じていました。

それを強く確信したのが、アメリカ留学中に携わったアトランタパラリンピックのレガシー団体での経験です。

インターン先では地域の障害のあるお子さんのスポーツ活動を担当していたのですが、それは障害のあるお子さんだけを対象にした活動ではなくて、健康なお子さんも参加するようなインクルーシブ(包括的)な活動でした。

北野:その活動の中で、一緒にスポーツをしたあとの振り返りの際に、障害のあるお子さんとそうでないお子さんが、スポーツの体験ではなくて「実は黒人でもこういう差別があるんだ」とか「ゲームでこういうことをするとこういう風に言われる」という内容の話をしていたんです。

たった1回だけしかスポーツをしていない関係なのに、子どもたちが自分たちのことをオープンに話している姿に感動しました。

それだけじゃなく、それを喋る人もネガティブにものを伝えているっていうよりは、ポジティブに発信していて、スポーツというツールが共有する、共感を得るという発信力を持っていると強く感じた瞬間でもあります。

小澤:スポーツだと全く知らない人でも、いいプレーが出たりするとハイタッチしたりとか、会話もしたことないのに握手をしたりとか、心もそうだけど行動としてもオープンになるところがありますよね。

北野:病気がある人とか障害がある人が社会の中で生きていくためには「今こういうことができる」とか「こういうサポートが必要」っていうのをお子さん1人1人が発信していくことが大事なので、そういった意味でスポーツに携わることで子どもたちが発信するきっかけを作れたらと考えています。

長期療養する子どもが生活するには、人や社会との繋がりが必要

小澤:Being ALIVE Japanでは、TEAMMATES in Community(チームメイツ イン コミュニティ)とか、TEAMMATES in Hospital(チームメイツ イン ホスピタル)といった何種類かの事業があるということですが、具体的にどう行った活動をされているんですか?

北野:全ての事業に共通しているのが「活動を通して仲間との青春」という点で、何か一緒にやり遂げるっていうのはもちろんなんですけど、地域社会の中に長期療養中の子どもたちの可能性を応援してくれる存在を病院の中から地域社会まで作っていくために事業を行なっています。

長い療養生活ではサポートしてもらう人の存在や応援してくれる人の存在は、子どもたちの可能性の後押しにも繋がります。

TEAMMATES in Hospitalが病院の中で入院中の子どもに対してスポーツを行う活動なのに対して、TEAMMATES in Communityは退院後も療養しているお子さんたちを対象にしているので、病院生活だけでなく地域生活の中でスポーツ活動を提供する支援をしています。

あとは、長期療養生活はご兄弟の日超生活にも影響を与え制限されることもあるので、ご兄弟にも同じように仲間を作ってあげるというのがコミュニティの中にも入っています。

小澤:医療が発達したおかげで、これまでは命を落としていたような病気でも救われるようになっていて、命を落とすまではいかなかったけど通院だったりとか、療養生活をするようになった結果として社会から離れる期間が生まれてしまい、社会とのギャップを埋めるためにそういう活動が始まっていったっていう風にお聞きしていますが。

北野:医療が進歩したことによってよかった点は入院する期間がぐっと短くなった一方で、完全に病気が治るまで入院していなくても、お家で日常生活を送りながら治療していくことが医療的にできるようになりました。

でも、お子さんはそのぶん、病気や障害がありながらも社会で生活していかなきゃいけないんですけど、元気になって元どおりではなく、そのまま療養しながら前の生活に戻るっていうことなので、その意味で日常生活が大きく変わってきます。

医療がどんどん発展していけばいくほど、人工呼吸器とかをつけながら生活していく子どもが増えていきますし、そういった切れ目のない治療の中で、じゃあどうやって社会で生きていくかっていう時に重要なのは、やっぱり社会の中で支え、応援してくれる人や仲間の存在なのかなと感じますね。

小澤:なんかプロスポーツのチームに入団したりっていうのもありましたよね。

北野:慢性疾患のお子さんで1ヶ月〜2ヶ月とか、小児がんだったりすると半年以上とか病院生活を送るお子さんもいます。長期入院生活を経て元の学校の生活に戻るのは、お子さんにとって体力面や心理面、友人との関係構築面でチャレンジが多いため、スポーツチームと共同で退院から復学の過程を支援しているのが「TEAMMATES事業」です。

この活動では実際にお子さんがチームの一員として入団をして、4~6ヶ月間チームの一員として練習や試合に参加します。一番大きい目的はお子さんが活動に参加することで、地域社会の中に病気や障害のあるお子さんの存在を知ってもらうことです。

北野:プロのスポーツチームだとたくさんのファンがいたりとか発信力もあるのでサポートをいっぱい得られたりとか、同じような病気のお子さんに対してもポジティブなロールモデルとして、こういう風に退院した後に同じ病気のお子さんが学校に戻ったり社会に戻れるんだよっていうのを発信することで、今療養しているお子さんたちも前向きに治療に取り組めるようになるんです。

障害のある子どもやそれを支援する人の存在を知ることで、地域の中での自分の役割を考えるようになる。

北野:小澤さんが私たちの活動に興味を持って頂いたきっかけにはお子さんがいらっしゃっることもあったそうですが。

小澤:個人的な話ですが、2歳半になる子どもがいまして、それまでは妻と2人だけですから、社会との繋がりだったりとか、地域社会との関係だったりとかっていうのはそんなに正直気にしてはいなかったんですよね。

仕事をして生活ができて、自分たちが豊かになっていければなあと思っていたくらいで、子どもが生まれて初めて、地域の方の助けが必要だなとか、子ども同士のコミュニケーションを取るためには私たちから環境を作って行かなければいけないと学ぶようになったんですね。

北野:すごいですよね。子どもができることでそんなに視点が変わるのは。社会との繋がりがすごく広がるっていうか、接点が広がるっていうか結構、皆さん同じことをおっしゃるので。

小澤:本当にびっくりしますよ。で、このお話をご紹介頂いた時に、写真を見るとやっぱりまず自分の子どもと同じくらいの年齢だなって思ったんです。家に帰った時にこの子が本当にもし病気になったり怪我をした時には、自分だったらどうするかなとか。こういう人が来てくれたらすごく喜ぶだろうなとか。初めてそういった想像ができるようになったんですよね。

で、ああいい活動だなって本当直感的に感じてしまって、これは提案をしたいと思ってすぐに話をさせて頂いたというわけです。

私たちの仕事自体も、ただ単にお部屋を紹介する、お部屋をお客様に流すっていうわけでなはくて、地域の中で何ができるんだろう、地域の中での役割っていうのはなんだろうと考えています。

その中で、そういったことを発信していきたいんだけれども、なかなかこう現実的に仕事をしているとそういった機会に触れることもない、触れるのは大家様だったりお客様だったりとか取引をしている人。だから地域のことを知っているようで知らないことっていうのはたくさんあるんですよね。

それは年代問わずにあると思っています。もしかしたらこれをきっかけに、こういったお子さんもいるし、それを支援する活動をしている人もいるし、そこで私たちはじゃあ地域の中でどんな役割ができるんだろうっていうのをちょっとでも考えてみるきっかけになればいいと思っています。

今後はいろんな方々に応援してもらえるように活動を広げていくのが目標。

小澤:最後に何ですけども、今後の展望というか、こんな風にやっていきたいみたいなのがあれば簡単に教えていただけますか。

北野:そうですね一番は今もやっていることなんですけど、全国的に広げていきたいと考えています。また、自立支援っていうところが私たちの一番のゴールなので、そこに関する制度面の充実や支援が増えるといいなと思っています。

そうすると、私たちが提供できる支援の可能性ももっと広がっていきますし、他にもいろんなNPOさんが支援事業を行なっているので、全体としての底上げにもなります。

なので、そのためにも全国的に活動を展開して、医療者だったり教育者だったりスポーツのアスリートだったりメディアの人だったりと応援してくれる人を増やしていくっていうのが直近のゴールですね。

そういう意味では2020年っていうのが一番そういうきっかけを作るのに良い機会になっているかなと思います。

小澤:そうですね、支援者の方がどんどん増えていくといいですね。そう考えると2020年のオリンピックも違う見方ができそうです。その前に、今度は私もボランティアスタッフとして是非活動に参加させてください。

取材:サービス・イノベーション室

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